この記事では転落人生の先にある「アンダークラス」という新しい階級について紹介します。
今は収入がしっかりあり、安定していると思っている人。
転落人生は誰のそばにも、意外に近くにあります。
まずはアンダークラスについて知ることで、転落人生の予防も、対策もできるよになるでしょう。
人生のリスクを減らして楽しく生きていけるように。
転落人生の行く先「アンダークラス」とは
近頃耳にする、「アンダークラス」と言う名前。
これは、パートの主婦や、非常勤の役員などを除く非正規雇用の人たちを言います。
橋本健二教授によって、「アンダークラス:新たな下層階級の出現」の本で提唱された、新たな階級。
一般的な階級
資本主義社会での一般的な階級とは
- 経営者など:「資本階級」
- 管理職・専門職・上級事務職
:「新中間階級」 - 現場の労働者:「労働者階級」
- 自営業者など:「旧中間階級」
といった具合に4つの階級が存在している。
今回の話の「アンダークラス」は「労働者階級」が上下に分裂し、発生したもの。
「アンダークラス」その生活の実態
「アンダークラス」とは述べた非正規雇用労働者。
収入が少なく生活が大変厳しい人たち。
個人の平均年収は186万円。
世帯の場合は343万円。
資産0の世帯比率は31.5%になる。
人数としては930万人ほどになり就業人口の約15%を占めるんです。
日本経済が必要とした、新たな階級「アンダークラス」
このアンダークラスに属する人々無しでは今の日本経済は成り立たない。
ところが、このクラスの労働条件も待遇もとてもひどいものなんです。
労働時間も週に40時間以上働いている人が半分以上
(男性:57.1% 女性:45.9%)
フルタイムと変わらない労働時間で働いている。
それでも収入は上がらず、社会保険への未加入のケースもあるという悲惨な状態。
(勿論社会保険加入は義務だが、会社側にその手続きをしてもらえ無いケース。
それでもそんな環境を選ばざるを得ない。。。)
こういった環境の職業としては
- 男性:マニュアル職(工場ラインなど)57.9%で残りはサービスと販売が多くなっている。
- 女性:事務、販売、サービス、マニュアルがほぼ4等分
これらは社会に取って絶対的に必要とされた仕事だが、非正規雇用でまかなわれ、給料も中々上がらない。
また、就職氷河期といわれるバブル後の時代に就職できずに、非正規雇用のまま。
20数年たち非正規のまま。
資産も作れず、家庭も築くことが出来ない。
20数年たち非正規のままきてしまっており、資産も作れず、家庭も築くことが出来ない。
このまま65歳になれば、年金も無い可能性があり、そのまま生活保護へ。
就職氷河期の人たちのアンダークラス化は非常に多く、今後は生活保護などの点から、社会保障費の増大が問題視もされている。
「就職氷河期の人たちの生活保護」に関する問題は別の記事で書かせてもらいます。
誰でも転落する可能性が
アンダークラスには誰でも転落していく可能性は充分にある。
ただし、資本階級などの人は、仕事での収入とは別に運用による収入、蓄えをしっかり持っている人も多い。
そういった人は仕事が急に無くなったりした場合でも焦らずしっかりと次を探すことが出来る。
そのため、「とにかく働かなければ」と非正規雇用の門を叩くようなことがあまり無い。
(非正規雇用を否定しているわけではないが。)
一方階級が下になるほど、リストラや倒産など仕事が急に無くなったとしても、とにかく暮らしていくために仕事をしなければならなくなる。
そこで一時、非正規雇用でしのぐことも。
一時的なものならいいのですが、そのままいってしまうと。
あっという間にアンダークラス行きの転落人生となります。
先日も上場企業が45歳以上を対象に「早期希望退職」と言う名のリストラを実施しましたね。
世の中、人手不足といわれている中での大量リストラ。
いつどうなるか。
本当に明日も分からない世の中です。
そしてもっと怖いのが「主婦」の人たちです。
リスクはもっと高くなります。
転落しやすい人「主婦」
なぜ「主婦」の人が転落しやすいのか?
一般的に、結婚してしばらくは正規雇用として働いている人が多い。
ところが
- 出産
- 親の介護
などの理由により、正規雇用から非正規のパートへ移る機会が多い。
パートになるというのも「夫婦での稼ぎがある」という前提での話し。
もしそこで、何かの理由で離婚、死別など、夫の給料と合算が出来なくなった場合。
パートだけの稼ぎと言うのはまさしく「アンダークラス」となってしまう。
そこですぐに正規雇用の仕事を見つけ、給料や社会保険などしっかりもらえるようになれば良いが。。。
もちろん職種にもよるが、主婦としてのパートを長い間続けた後、正規雇用の仕事を見つけるというのは、今の日本では中々難しいのが現実。
主婦の転落防止には社会システムから
主婦の人たちが出産、介護の結果「アンダークラス」への転落。
こういったことを防ぐためには社会制度の整備がかなり大事。
社会の制度として、産休育休などがしっかり整備され、夫婦揃って出産育児をする。
欧米のように、出産後も仕事に戻るのが当然。
夫婦で共働きが当たり前。
そんな社会になる必要が大前提として必要。
今後も増加の可能性
現在は「アンダークラス」が930万人ほど。
就職氷河期の煽りが大きく、今後も増えていく可能性はとても大きい。
少子高齢化による社会保障費の増大。
アンダークラスが65歳を過ぎた時に生活保護受給者になる可能性も充分ある。
そうなった場合、更に社会保障費は膨らむのは確実。
この借金が莫大に膨れ上がった日本。行く末がどうなっていくのか不安ばかりが大きくなってしまいます。
まとめ
昨今の日本経済において、格差社会と言われて長い時間が過ぎました。
「格差社会」というのが2006年に流行語大賞に選ばれて早くも13年が経ちます。
今までは社会の階級も
- 経営者など:「資本階級」
- 管理職・専門職・上級事務職
:「新中間階級」 - 現場の労働者:「労働者階級」
- 自営業者など:「旧中間階級」
という4つの階級から成り立っていました。
が、労働者階級が2層に分かれ、「アンダークラス」ができたことにより、5つの階級となりました。
しかもこの「アンダークラス」は数も930万人と相当数にのぼります。
そして、今後も増加することが予想されています。
非常勤役員や、パート主婦などを除く、非正規雇用で収入が低い人達です。
この人達はいままでの日本経済の歪から生まれたとも言えます。
就職氷河期の世代が、就職できずに非正規雇用で働き、そのまま20年を経てしまった。
今後は65歳を超えて生活保護受給者となる可能性も高い。
今後の社会保障費の増大が予想されます。
ただでさえ借金の非常に多い我が国日本。
今後のそういった懸念もしっかり把握した上で、できる限りリスクを押さえられるようなライフプランを作りましょう。