この記事では就職氷河期の影響による「アンダークラス」の増加とその影響をご紹介します。
「アンダークラス」については先日のこちらの記事で書きました。
なぜ就職氷河期の影響で「アンダークラス」が増加してしまうのか。
どのようにして社会保障費が増加し、財政を圧迫してしまうのか。
また、なぜそのような事態になってしまったのか。
今後の日本を知る上で外せない問題になってきます。
就職氷河期世代のリスク
就職氷河期と言うのを知っているでしょうか?
若い人では知らない人も多いかもしれません。
就職氷河期とは平成5年~16年頃に就職活動をした人たちのこと。
この氷河期の世代の人たちは、就職活動が上手くいかずに、卒業後も正規雇用の社員になれていない。と言うのが多い世代。
私もギリギリの就職氷河期世代。
25社受けてやっと合格をもらえました。
周りでは50、60社受けてる人もいましたし、先輩では100社を越える人も。
そんな先輩を見ていたので、よく心折れずに就職活動しているなと、感心する一方、就職活動が恐ろしくて本当に嫌だった記憶があります。
そんな状態であったため、希望の職に就くのも中々厳しく、就職したはいいものの全くやりたい仕事ではない。
転職も厳しく、フリーターや無職になってしまう人も。
そういった人達が現在は30代半ば過ぎから40代半ばに達し、自宅に引きこもってしまう人も少なくはないそう。
こういった非正規雇用やフリーター、無職でいる人たちが「アンダークラス」として社会の中で非常に増えてきているのが現在の日本。
「アンダークラス」の増加によって何が大変になってくるかの解説の前に、「アンダークラス」が増える原因となった就職氷河期がなぜ起こったか。
「アンダークラス」を量産する、就職氷河期が訪れた原因
就職氷河期が訪れた理由として言われるのは、経済の衰退や大手金融機関の破綻などが挙げられます。
日本では1990年代に起こった「バブルの崩壊」後のおよそ10年にわたる就職困難期。
リーマン・ショックによる景気の冷え込みの影響での就職困難期を言います。
今回記事にしたのはリーマン・ショック後よりも長い間にわたってあった「バブル崩壊後」の氷河期について書いていきます。
また、日本社会と言うのは解雇が中々し難い終身雇用制度が根強くある社会。
そのため、新陳代謝が起こりにくく、新人を雇うのを抑え、今会社にいる人を守ろうとする風潮もあります。
その反動か、2019年の今になり、大手が45歳以上を大量にリストラしていますね。
人材不足といわれているにも関らず、、、
人件費の高い高年齢層が切られている現実。
いびつな会社の構造が浮き彫りになってきている感じがすごくします。
そんないびつな社会構造から起こった就職氷河期の被害者である「アンダークラス」が増えてしまうとどうなるのか?
生活保護への転落
就職氷河期のあおりによる、30代40代の非正規雇用や無職の人。
家族以外の人と半年以上交流せずに引きこもってしまう人も多い。
親の年金があれば引きこもっていても生活できるかも知れない。
ところが親が亡くなり、年金収入が断たれてしまうと途端に生活不能に陥ってしまう。
こうなった場合、生活保護を受けることになるだろうが、この費用の増加は大きな財政負担となりうる。
「ひきこもり」から生活保護のリスク
政府としては就職氷河期の影響による30~40代の引きこもりに危機感を持っている。
3年間の集中プログラムを通じて就職氷河期世代を正規就労に結びつけようという考えも出ている。
上記の就職氷河期の期間の世代の人数は1700万人となる。
このうち支援対象となるのは「アンダークラス」である、フリーターやパートといった非正規社員、無職など約400万人になる。
これらの人の多くが加入しているのは国民年金とみられ、高齢期に収入が無くなり、数万円の年金しか無くなり、そのまま生活保護へ転落することも予想される。
国民年金のみでは生活ができない危うさ
通常、会社員が加入する厚生年金があれば、収入によって支給額は変わってくるが、高齢期には生活できるだけの年金が支給される。
※今後はこの年金制度も無くなりはしないだろうが、厳しくなっていくでしょう。
また、国民年金も受給年齢前に、満額きっちり支払いが出来ていれば良い。
それが出来ていない人が物凄く多いのも現状問題になっている。
未払いの人が多く、本来集められる予定の金額が年金として集められていない。
厚生年金からお金を回したり、借金によってまかなっているというのが今の日本の現状。
年金問題にはバブル崩壊による、就職氷河期の問題も絡みあってきてしまっている。
そう考えると問題は相当複雑ですよね。。。
政府の対策も
こういった事態も考慮しての冒頭に上げた政府の施策として、3年間の集中支援プログラム案などが挙がっている。
ハローワークや大学、経済団体などが連携する協議会を通じて支援対象者を把握した上で、具体的な数値目標も定めて減少させていく方向で考えているらしいです。
就職氷河期の最年長者は50代を目前に控え、高齢期へのカウントダウンも始まっています。
残された時間も少ない中で、政府がどのように対応していくのか今後に注目したいところです。
まとめ
就職氷河期と言う「バブル崩壊後」と「リーマンショック後」に起こった悲惨な時代。
夢を抱いて、これから社会に出て行こうという若者に対して、就職活動と言う過酷な洗礼。
そこでは挫折が沢山待っている時代でした。
勿論そうでないような優秀な人もいたのは事実ですが、多くの人は社会の厳しさを味わいました。
そんな中での就職活動。正規雇用の社員になれず。
また、希望ではない職に就いた為に、なじめずに道半ばで非正規雇用、無職へ。
こういった道を選択せざるを得なくなってしまった人が数多くいるのもこの「就職氷河期」時代です。
こういった人は「アンダークラス」と言われる階級にカテゴリーされます。
そこには引きこもりになってしまう人も400万人と多く、親の年金などを当てに生活しています。
今後その親が亡くなった際に、高齢期になってきた際に、国民年金のみの月に数万円と言う生活になる恐れも。
そうなると生活保護の受給者になるしかなくなります。
そういった「アンダークラス」の人たちは400万人にもなる。
これだけの人が生きていくために生活保護対象となれば、社会保障費の増加により財政をかなり圧迫することに。
そうならないためにも政府も考えはあるよう。
今後の対応に期待したいところですが、こういった問題は社会が生み題した問題。
今回の「就職氷河期問題」以外にも今後色々出てきそうな感じはします。
改めて自己防衛の大切さを感じますね。
あなたも他人事ではなくなるような問題がどこから出てくるか分かりません。
現役のうちに、少しでも早い段階からしっかり学び、備えておきましょうね。