最近話題の「アルムナイ」と言う、企業の「卒業生コミュニティ制度」について紹介していきます。
企業の退職者を活用できる制度で、OBOG会とも違うもの。
欧米企業から発祥した文化。
定年退職や長期の勤務経験などの条件は無く、在籍経験があれば入ることが出来る。
基本的には企業の人事が旗を振って運営するコミュニティ
といったもの。
企業にも退職者にも、従業員にもメリットがあるため、日本でも大企業など採用するところが増えているようです。
「アルムナイ」とはどういう意味?
![【挿絵】アルムナイとはどんなもの?-卒業生の組織・OBOG会とは違う-現役生との交流-そこから生まれる可能性.jpg](https://maru-money.com/wp-content/uploads/2020/04/【挿絵】アルムナイとはどんなもの?-卒業生の組織・OBOG会とは違う-現役生との交流-そこから生まれる可能性.jpg)
そもそもアルムナイとはどういう言葉の意味なのかと言うと
「学校の卒業生・同窓生」
がもともとの意味
そこから企業の元社員をアルムナイと呼ぶことが増えてきたんですね。
懇親会目的とは違う、ビジネスにプラスになる組織
![【挿絵】ビジネス目的の懇親会も-ビジネスにプラスになる組織-卒業生と現役生の交流-活発な情報交換の場に.jpg](https://maru-money.com/wp-content/uploads/2020/04/【挿絵】ビジネス目的の懇親会も-ビジネスにプラスになる組織-卒業生と現役生の交流-活発な情報交換の場に.jpg)
元社員の集まりで言うと今までも”OBOG会”や「○○(社名)会」などの集まり、組織があると思いますが、それとも違う。
これらは定年退職者だったり、結婚出産による退社者だったりが集まるもので、懇親会などがメインです。
アルムナイ制度はいわゆる「一身上の都合」で退職した社員を中心とするもの。
アルムナイに所属する人も会社は違えどビジネスマン。
会社に取ってプラスの物を与えてくれる資源と考えるんですね。
アルムナイの活用
コンサルファームなどは積極的に活用していて、「アルムナイパーティー」なるものも。
アルムナイに所属する人や現役の社員を集めてのパーティーを年に1回など開催し、そこで交流をしてもらう。
退職者の人も現役のビジネスマンのため、活発な情報交換が起こり、仕事につながることも多々。
片田舎の中小零細企業に勤めている私にとってはなんとも華やかなものに見えますね。
確かに前に勤めていた会社の元同僚や元上司とも連絡を取ります。
株価や業績が気になったりもしますよね。
アルムナイ制度を知ったときには私の元の勤め先にも無いものかと調べてみたりもしてしまいました(笑)
やっぱりお世話になっていた古巣と言うのは気になるものです。
ただし、ブラック企業だったり、辞めてすっきりしたようなところは気にもなりませんが。
「出戻り」があるところも
最近の人材不足の影響でアルムナイから人材を確保することも多々あるようです。
経験者と言うことで会社の勝手を知っている。
その上現役の人たちなので即戦力となりうる人材ですよね。
また、他所を見てきているから社内への刺激にもなる。
私も元いた会社から戻って来いと声をかけられたことも有りますが、やっぱり嬉しいものです。
(東京から地元へ戻ってきていたため、出戻りはしませんでしたが)
ただし、休職のように戻ってくる前提で会社を離れる制度とは違います。
日本の企業では会社独自のやり方があり、ほかでは通用しないようなことも多い。
日本企業は海外のように「プロフェッショナル」を育てるよりも「ゼネラリスト」を育てる風土が強いですよね。
そんな日本企業にとって、アルムナイ制度を利用した出戻りは教育コストが下げられる、歓迎できる制度ですよね。
「プロフェッショナル」と「ゼネラリスト」についてはこちらの記事に書きました。
- ”日本流の働き方”の限界
- 欧米化する働き方を生き抜く方法
日本のサラリーマン働き方の破綻?欧米化するシステムを生き抜く方法
![【タイトル】日本のサラリーマン働き方の破綻?欧米化するシステムを生き抜く方法](https://maru-money.com/wp-content/uploads/2019/02/【タイトル】日本のサラリーマン働き方の破綻?欧米化するシステムを生き抜く方法-320x180.jpg)
アルムナイのデメリット
アルムナイを活用し、ビジネスを広げていく。
これは本当に賢いやり方だと思います。
私の様に古巣が気になる人は多いと思います。
こういった制度があれば古巣の現役の人たちを助けてあげやすくもなります。
こちらとしても、近況を聞けたり交流もしやすくなるので、ますます古巣への愛が大きくなりますよね。
ただし企業からしたらデメリットも。
コストがかかる
アルムナイ制度としてコミュニティを維持していくため、管理の手間やコストもかかるのは現実です。
ただ、業種によってはそれ以上にメリットが得られることも多い。
難しい所ですが、元従業員としてはそんな制度があったら嬉しいし助けたいとも思いますよね。
流出の恐れ
アルムナイ制度では元の社員と現役の社員がコミュニケーションを取ることに。
そこでは生の新鮮な情報を持っている人同士なので、情報の流出と言う可能性も。
また、退職者が古巣より魅力的な企業に移った場合、引き抜きの可能性も出てきます。
そういった危険性もあるので、企業としては対策も考えなければなりません。
ですが、「アルムナイ制度がある」というだけでもその企業の魅力の1つですよね。
まとめ
今話題の「アルムナイ制度」
まだ日本では採用しているところは少ないようですが、中々魅力的な制度に思えます。
古巣と言うのはやはり気にはなるもの。
メリットデメリットはあるにしてもありがたいものです。
また、日本企業のゼネラリスト育成の企業風土にもマッチする。
人材を採用した際、全くの素人ではその企業独自のやり方を1から教える。
出戻りの人材であれば、そのコストを大分減らすことも出来ます。
変化していかなければいけない企業風土だとしても、すぐには変わることは難しいでしょう。
であれば、アルムナイ制度は日本企業にあった制度に感じます。
まだ、日本では少ないかもしれませんが、人材の流動化している現在。
人材確保、生きた情報の収集、ビジネスチャンスも得られる、なかなか面白い制度ですよね。